ホームヘルパーの仕事・求人特集
未経験から始める、高齢者の生活をサポートする
ホームヘルパーは高齢者や障害のある方の家庭を回り、一人で行う事が難しい日常生活の介助を行います。勤務形態は職場によって異なり、公務員の場合は9時から5時まで一定時間のみ勤務する所が多くなります。その一方で、民間団体ではシフト制を採用している企業が多く、月に数回夜勤に入ることもあります。業務内容は、有料のグループホームや特別養護老人ホームの介護職員の仕事とほとんど同じです。朝の起床時の体位変換や着替えの補助、排泄の介助、ベッドシーツの洗濯、食事の用意や薬の服用補助、食器の片付けや家の掃除、入浴など、日々の活動に欠かせない基本的な生活の支援がメインとなります。多くの場合、ケアマネージャーなどが作成したケアプランに沿った内容のサービスを提供します。お年寄りの方の中には体力が衰え、体が思うように動かない方もいます。こういった方には、生活必需品の買い物や病院への送り迎えなどが必要になるので、屋外でのサポートを担当することもあります。また、このような肉体的なサポートのみではなく心理的な悩み相談に乗ることもあります。介護を受ける方には病気にかかっている方もいるため、精神面のケアも重要になります。介護を受ける方の肉体的・心理的な面を全般的にサポートするのが、ホームヘルパーの役割と言えます。
ホームヘルパーを派遣する事業を行っているのが訪問介護事業所です。別名、ヘルパーステーションとも呼ばれます。主に「身体介護」と「生活支援」の2つのサービスを提供しています。管理者やサービス提供責任者、一定数のヘルパーや介護福祉士が勤務しているなどの厳しい要件をクリアした法人のみが、訪問介護事業所を開業することができるようになっています。ただし常勤のホームヘルパーよりもパート・アルバイト等で働く非常勤の人数が多いことがほとんどです。多くのホームヘルパーはこういった訪問介護事業所に登録し、勤務形態に従って仕事を行うことになります。訪問介護事業所のケアマネージャーが作成したケアプランに沿って業務を行うことになりますので、そこまで仕事の自由度は高くありません。また訪問介護事業所には、30分から数時間ほど家を訪問して介護をする「滞在タイプ」と、交代制で24時間ホームヘルパーが介護を行う「24時間巡回タイプ」の2つのサービスがあります。今現在は、短い時間の間だけ訪問介護を行う「滞在タイプ」のサービスが主流となっています。
訪問介護を行う事業者の中でも入浴に特化したサービスを提供している所を訪問入浴事業所と呼びます。訪問入浴事業所では看護師と介護職員2名の合計3名が1セットになってご家庭を訪問し、入浴サービスを行います。寝たきりの高齢者であっても、入浴して心身ともにリラックスできることから、近年は入浴専門サービスの人気が高まってきています。家庭訪問の際には、車で運搬できる専用の小型浴槽を室内まで持ち運び、その場で浴槽を組み立てます。そこで看護師が健康チェックを行い、介護職員やホームヘルパーが脱衣のサポートをします。浴槽内で体を洗い、洗髪や肌の手入れを行うのが主な業務です。入浴の準備から完了までにかかる全ての時間を合計しても一時間以内に収まることがほとんどです。最近では、温泉水を使用した入浴を売りにしている事業所も増えてきています。
ホームヘルパーになるのであれば取得しておきたいのが「介護職員初任者研修」の資格です。介護職員初任者研修は旧ヘルパー2級とも呼ばれています。無資格の場合、訪問介護では生活支援に関する業務しか行うことができません。またこの場合は家事代行サービスと見なされるため、介護保険が適用されません。介護保険が適用となる身体介護や生活支援を行うのであれば、介護職員初任者研修の資格が必要となってくるのです。未経験の方は無資格でもなれる介護職員として働いて実務経験を積みながら、専門学校や通信講座を利用して勉強して資格取得を目指すことをオススメします。介護施設の中には資格取得を推奨するために働きながら無料で講座を取得させてくれるところもあります。将来的に介護福祉士やサービス提供責任者などの上位の職種にキャリアアップする場合、介護職員初任者研修の資格は必須と言えるでしょう。
介護職員初任者研修は年齢が16歳以上であれば受講することが可能です。都道府県の指定するスクールで講座を受講し、合計130時間の講義と演習を経て修了試験に合格すれば晴れて資格を得ることができます。介護職員初任者研修を受講できる機関は様々で、ハローワークや専門学校、通信講座などで研修を受けることになります。最も安い資格の取得法はハローワークを通じて申し込むことです。公的な機関であるハローワークには、求職者向けに無料で介護職員初任者研修を受けられるような制度が設けられています。テキスト代は別途必要になるため無料ではありませんが、出費は数万円程度で済ませることが可能です。ただし受講できる定員が決まっており、抽選や選抜試験に合格しないと受講できないくらい競争率が高くなっています。専門学校の場合、受講費用は安くて8万円、高ければ12万円くらいかかると考えると良いでしょう。講義部分を通信講座で受講すれば、もう少し費用を抑えることができます。専門学校で学べば最短で1か月、ゆっくり学んでも最長6ヵ月くらいで、全ての研修を終えることができます。スケジュールに余裕を持って受講すると良いでしょう。
介護職員初任者研修の資格を得て、ホームヘルパーとして実地経験を積んだ後に是非とも目指したいのが次のレベルです。そのままホームヘルパーとして働き続けても良いのですが、多くのホームヘルパーは非常勤といったパート・アルバイトの身分であるため、賃金が安くボーナスも出ないので経済的に苦しい立場にあります。やはり常勤(正社員)になったり、新たな資格を取得したり次のステップに進まなければ、給与面での改善は期待できません。人気の資格は介護福祉士とケアマネージャーですが、今までのホームヘルパーとしての経験を活かせる資格は介護福祉士でしょう。介護福祉士は国家資格であるため、ホームヘルパーよりも平均して高い給料をもらうことができます。今働いている職場の給料が上がらないと判断した場合は雇い主と交渉するか、別の職場に転職することを考えると良いかもしれません。介護福祉士の資格さえ持っていれば、転職時にも有利に働きます。
未経験の方が最初からホームヘルパーになることは難しいので、はじめは介護施設の非常勤職員になることをオススメします。グループホームや老人ホームなどは常に介護職員を募集していますので、職場環境の良いところを選ぶと良いでしょう。職場によって給与や勤務スケジュールが異なりますが、あまり給与面は期待できません。介護の知識や技術を学ぶためと考え、少々給料が安くても早めに働き始めた方がキャリアアップに役立ちます。専業主婦の方でアルバイト・パートのホームヘルパーとして働きに出たい場合は、なるべく早く介護職員初任者研修を受講することを意識すべきでしょう。介護の求人募集を見ると、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)の所持を応募資格としているところも多いため、無資格かつ未経験となると不利になる可能性が高くなります。すぐに介護職で働きたい場合は、介護施設の求人をチェックし教育制度の充実している職場を選ぶのがベストな選択になります。
ホームヘルパーの経験者は、簡単に転職ができるということを覚えておくと良いでしょう。時と場所が変わっても介護をする技術は何ら変わりありません。どこへ行っても通用するスキルなので、どの職場でもホームヘルパーの経験者は優遇されます。仕事の時間のほとんどは訪問介護に費やすことになるため、そこまで職場の人間関係も重視する必要はありません。職場環境よりも交通費や拘束時間、それに給与の面を重要視することが大切になってきます。登録制ヘルパーとして働く場合は、複数の訪問介護事業所に登録することをオススメします。登録だけ行なっても、なかなか仕事が回ってこないことがあるからです。一生懸命に仕事をこなせば指名が入るようになり、仕事量も安定してきます。固定のお客さんがつくまでは、数多くの家庭を訪問して介護に専念すると良いでしょう。