社会福祉士で介護・福祉の仕事を目指す方
今後当面の間は、日本人の人口に対して高齢者が占める割合は高まる一方といわれています。そこで介護に関する求人が増加しています。そして社会福祉士のような資格を持った人への需要も高まっています。社会福祉法人では、採用試験を積極的に出しているところも多いです。この採用試験を見てみると、介護職として社会福祉士も採用されることになるでしょう。しかし社会福祉士のような専門性の高い資格を持っている人は将来の幹部候補として法人側は雇っている可能性は高いです。そのため、キャリアアップを希望している人は社会福祉士の資格を持っていて損はないでしょう。
介護の現場で活躍する社会福祉士の方
高齢化社会が進んでいることをニュースなどで聞いたことのある人も多いでしょう。2025年には4人に1人が75歳以上の高齢者になることが予想されているほどです。そのような関係もあって、日本全国に介護施設が次々と新設されています。それに伴い社会福祉士の需要も高まりを見せています。もし介護施設ですでに社会福祉士として活躍しているのであれば、オープニングスタッフの募集をチェックしてみるとよいでしょう。通常の募集を見てみると介護職とひとまとめにして募集を出していることが多いです。しかし新設の施設の場合、社会福祉士をきちんと分けて求人を出しているところもあります。
福祉の現場で活躍する社会福祉士の方
社会福祉士の資格を持っている人のなかには、福祉の世界で活躍している方もいるでしょう。福祉の場合、行政機関で勤務できるケースもあります。その場合は公務員扱いとして社会福祉士の資格を生かして仕事ができるので、長期にわたって安定した環境で勤務できます。公務員の募集に関しては、各地方自治体で独自に募集を出しています。地方自治体のホームページなどを参考に、採用試験状況をこまめにチェックすることが大事です。一般行政職としての募集のほかにも、児童福祉士やケースワーカーといった特殊な職種に限定して募集の出ることもあります。

社会福祉士(ソーシャルワーカー)の仕事内容

社会福祉士(ソーシャルワーカー)の仕事内容をチェック

社会福祉士とは

社会福祉士とは病気やその後遺症、経済的事情などさまざまな理由で日常生活を自力で送ることに支障のある方の相談を受ける人のことを指します。そしてそれぞれができるだけ自立した、安心・安定した生活を送れるようにサポートするのが役割です。
社会福祉士の場合、業務範囲は多岐にわたります。高齢者への介護のほかにも障害者へのサポート、生活保護希望者、児童福祉の問題など福祉に関係するものはすべて業務範囲に該当すると思ったほうがよいでしょう。

介護:本人・家族との支援相談業務
社会福祉士の仕事内容ですが、まずは問題を抱えている人の相談を受け付けるところから始まります。どのようなところに問題を抱えているのか、その原因を分析しその問題を解決するためにはどうすればよいのか具体的な対策を講じます。本人だけの問題のケースもあれば、家族など周囲との関係によって問題が発生しているケースも考えられます。そのため、もし周囲の人々との関係に問題が根ざしていると判断すれば、家族など関係者と会って話をすることもあります。地域や事業者の協力が必要な場合には、その調整も行います。
介護:ケアプランの作成
社会福祉士も介護や支援に関する計画を立案します。しかしケアプランを作成するのは主にケアマネージャーになります。ケアプランはあくまでも介護保険制度をベースにして策定されます。しかし社会福祉士の場合にはより多角的なところがあり、介護サービスを受けたくても経済的な問題で受けられないというパターンもあります。そのような場合には福祉手当を活用や自治体の事業の利用、最終的には生活保護受給の手続きを進めるなど全般的に考え、高齢者によってベストのプランを策定します。
介護:保険請求事務
介護保険による介護サービスの利用の場合、原則利用者が負担するのは費用の1割のみです。残りの9割については、保険請求を行わないといけません。そのためにはどのような介護サービスを受けたのか、その内訳を明示して請求する必要があります。この業務を社会福祉士が担当することもあります。もし請求に誤りがあればやり直しをして修正できるまで報酬は入ってきません。9割の収入が入ってこないとなると経営上支障が生じる恐れもあり、責任が求められる業務です。
福祉:公的機関でのソーシャルワーク
社会福祉士のなかには公的機関で業務をしている人も多いです。市民の各種相談に乗るのがメインであり、自分の担当している地域が暮らしやすくするための役割を担っています。自治体のほかにも介護・福祉関係の施設と連携して仕事を進めていく必要があります。より良い介護サービスを高齢者に提供するために、場合によっては相談者の主任ケアマネージャーや保健師と連携して業務を担当することもあります。専門家の観点から、高齢者などの社会的弱者の快適な暮らしづくりを行います。
福祉:生活相談(ソーシャルワーク)
社会福祉士の中心的業務は、相談業務になります。高齢者などの相談者からどのようなスタイルで施設を利用したいのか、週に何回程度介護サービスを受ければいいのか、サービスを受けるにあたって何か特別な希望があるかなどの聞き取りを行います。高齢者のなかには家族と一緒に暮らしているケースもあります。その場合には、利用者の家族からの相談に乗ることもあります。1回ではすべての問題が解決できないこともあります。しかし何度も話をすることによって、利用者や家族と信頼関係を構築することも可能です。
福祉:児童相談員、障害者支援
社会福祉士がケアをするのは何も高齢者に限ったことではありません。社会的弱者といわれる人全般の相談に乗り、彼らが社会に関われるような環境を整備することも重要な役割になります。例えば家族などの問題を抱えている子供の相談に乗ることもあります。児童相談所や母子支援施設で勤務している社会福祉士もいます。そのほかには、障害者の相談業務もあります。身体的・精神的いずれの障碍者が抱えている問題やどうすればコミュニティに参加できるかといったことを考えていきます。

施設ごとの業務やメリット等を比較

入所型介護施設

施設・業務内訳
社会福祉士のなかには介護の世界で活躍している人も多いです。介護にはさまざまなタイプの施設があるのですが、入所型の介護施設に所属して仕事をしている社会福祉士の人もみられます。入所型とは、高齢者は施設の中で生活して必要な介護サービスを受ける形になります。有料老人ホームのほかにも、介護度の高い高齢者が入所している特別養護老人ホームや入院していた患者が自宅に戻るための前段階としての施設である介護老人保健施設などがあります。社会福祉士はこのよう入所型介護施設で、利用者やその家族の相談に乗るのが基本的な業務になります。相談に乗ることで、入所者やその家族がどのような問題を抱えているかを分析します。そしてその問題を解決するにはどうすれば良いのか、アドバイスをしていきます。
特徴・業務
社会福祉士は入所型介護施設に所属し、入所を希望している高齢者やその家族からの相談を受けるのが基本的な業務内容になっています。入所をするにあたってどのような条件があるのか、申し込み手続きはどのように進めるのかといったサポートを行います。またショートステイのような介護施設の場合は、ケアプランの作成などに携わるケースもあります。入所するにあたって、高齢者により必要なサービスは違ってきます。それぞれの入所希望者の特性を把握し、医療や福祉、介護などのサービスのコーディネートを行います。入所するまでだけでなく、入所してからも高齢者やその家族が不安や悩みを抱えることもあるでしょうから、その相談に乗り問題解決のために動くことも求められます。
仕事の魅力
老人ホームなど入所系の施設は、経営基盤のしっかりしている民間企業が運営母体であるケースが多いです。そのため給料以外に福利厚生も整っているところが多いため、安定した環境のなかで仕事ができます。このため、それぞれの高齢者としっかり向き合った仕事ができるのも魅力です。入所した後の相談に関しても、それまでの悩みなどを把握したうえでアドバイスができるため、より的確に問題解決のためのヒントを与えられます。有料老人ホームの場合、相手はお客さんという意識が強くなります。このため、接客スキルを身に着けられるのもメリットの一つといえるでしょう。
気をつける点
特別養護老人ホームの場合、要介護度の高い入所者が多いので介護にかかる手間がどうしても大きくなります。そのため、社会福祉士も介護職員のお手伝いをしなければならないかもしれません。寝たきりの高齢者の介護を行うとなると、身体的な負担も大きくなります。また通常の老人ホームの場合、健康面ではまだまだ問題のない高齢者も多いです。その関係で、サービス提供するといった感覚で仕事をしなければなりません。他の職場から転職してきた場合には、その施設の方針に戸惑いを覚える社会福祉士の人もいるでしょう。入所施設は高齢化が進んでどこも満室というケースもあります。そのため、施設によっては入所希望者がいても入居待ちをしてもらわないといけないこともあり、その説得をする苦労も味わわないといけないかもしれません。

通所型介護施設

施設・業務内訳
デイサービスとは通所型介護施設になります。基本は自宅療養している高齢者を日中だけ施設で預かり、必要な介護サービスやリハビリなどを担当します。レクリエーションなどを催して、快適に過ごせるようなケアも行っています。デイサービスを利用している高齢者を見ると、普段家族と同居していて家族が介護を担当しているケースも多いです。日中高齢者を施設に預けることで、家族の介護にかかる負担を軽減するといった目的で介護サービスを提供しています。社会福祉士は主に生活相談員という職種で業務を担当します。しかし施設によっては介護職員と協力して介護の仕事を担当する、事業運営の業務も担当するなど多彩な仕事に携わることもあります。
特徴・業務
生活相談員として社会福祉士は、デイサービス利用希望者からの問い合わせなどに対応します。またデイサービスでは、利用希望者の見学の受付を実施しているところも多いです。この見学希望の事務手続きや実際に利用することになった場合の申し込み手続きの受付や契約書の作成といった業務を担当します。契約するにあたって、あらかじめ利用者に理解してほしい内容を重要事項説明という形で相手に説明する業務も担当します。その他に介護職員と一緒になって介助をする、担当者会議への参加、物品や用具などのチェックといった事業運営に関係する業務を担当することもあります。このように多種多様な業務を担当することもあるので、広い視野を持っていま何をすべきかを自分で判断する力が必要になります。
仕事の魅力
近年デイサービスは日本全国に施設が作られる傾向があります。その関係で求人情報も多く、他の職場と比較すると求人倍率が低くなる傾向が見られます。またデイサービスの募集をみてみると、正社員のほかにもパートタイマーの募集も活発に出る傾向があります。そのため時短で働く、午前中だけの勤務などのようにシフトを自由に決められる案件も見受けられます。そのような場合は、結婚していて子供のいる人でも家事や育児と仕事の両立をしやすいといえるでしょう。土日や祝日休みのようなカレンダー通りの休日を取り入れているところも多いため、友人や家族とどこかに出かけるにあたって、スケジュール調整がしやすいこともデイサービスで働くメリットの一つになるでしょう。
気をつける点
通所系のデイサービスの場合、介護職員のほかにも理学療法士や作業療法士などのリハビリを担当する人、看護師などいろいろなスタッフが仕事をしています。施設によっては、人間関係に悩んでしまい仕事をすること自体がストレスになってしまうケースも考えられます。高齢者にサービスを提供するにあたって、デリケートな部分に触れる機会も多くあります。そのため、接遇やサポートをするにあたって細心の注意を払わないといけない可能性もあります。デイサービスのなかには比較的多くの利用者を受け入れている施設もあり、この場合一人で多くの高齢者の担当をしなければなりません。そうなるとどうしても多くの人を担当するために作業的になってしまい、じっくりと向き合った仕事ができなくなるかもしれません。

障害者施設(社会福祉協議会、身体障害者更生施設)

施設・業務内訳
社会福祉士は高齢者だけでなく、いわゆる社会的弱者といわれるような人々のケアを行います。そのため介護施設のほかにも、障害者支援施設などで勤務している社会福祉士の方も少なからずいます。障害者支援施設とは、何らかの障害を抱えている人に対して多方面からの支援を行う施設になっています。通常は生活介護や自立をするために就労以降のための訓練などのサポートを実施しています。夜間も受付対応している施設も多く、障碍者が入所できるような施設に入るためのサポートなどを実施しています。障害を抱えている人が少しでも自立した生活を送り、社会コミュニティに入っていけるような環境を整えるための支援を実施している施設になります。
特徴・業務
障害者支援施設で勤務している社会福祉士ですが、「生活相談員」や「生活指導員」「支援相談員」といった名称で勤務しています。ちなみにこのような名称で求人情報が出ていれば、障害者支援施設に転職したいと思っている社会福祉士は、募集要項をチェックするとよいでしょう。いずれの名称でも基本的な仕事内容は一緒です。利用者の相談を聞く、サービスを利用するにあたっての計画書を作成する、入退所のための手続きの担当をするといった業務があります。また障害者には家族のいるケースも多いですから、家族の要望をヒアリングし加入・退所するにあたっての調整なども社会福祉士が担当します。施設によっては、利用者の生活援助や自立支援を直接担当することもあります。
仕事の魅力
障害者施設の場合、それほど入所している人は多くはないところが多いです。そのため、社会福祉士として入所者に接するにあたって一人一人とより密にコミュニケーションを取ることができます。また入所者も入所している期間が長くなることも多いため、それぞれのキャラクターを把握しやすくなります。それぞれの人がどのようなことを求めているかわかるようになり、必要なことを提供することによって信頼関係を構築しやすくなります。障害者施設の場合、入所者に対して優しく接するという概念が徹底されているところが多いです。その関係もあって、施設内はアットホームな雰囲気があります。そのため社会福祉士のなかには働きやすい職場と認識している人も多いです。
気をつける点
障害者の場合、日常生活を自分の力だけで送ることのできない人も多いです。そのため医療機関や高齢者施設と比較すると、介助の手がより必要になります。社会福祉士も相談業務だけを専門に行えばよいというわけにもいかず、介護職員のサポートをすることも多いです。障害者でも大人になるとそれなりに体も大きいので、介助するにも体力的な負担が大きくなります。また知的障害者を受け入れている施設で勤務する場合には、なかなか入所者と適切なコミュニケーションが取れない、何度注意しても同じことをしてしまうなど精神的なストレスが重なりやすくなります。そのストレスは入所者にぶつけてしまうことは許されないため、精神的な強靭さが求められます。

更生施設(生活困窮者施設、福祉事務所)

施設・業務内訳
社会福祉士のなかには、更生施設で勤務しているケースもあります。更生施設は、生活困窮者施設や福祉事務所といったところが該当します。更生施設は、何らかの理由でこの施設に入った人たちが再び社会で自立した生活を送れるようにするためにサポートする施設になります。施設に入る前にそれぞれさまざまな問題に直面してきた方が多いですが、その部分を蒸し返すのではなく、これからどのように生きていくのかを重視して利用者と一緒に考えていく施設だと思いましょう。そもそもなぜこの施設を利用することになったのか、その原因を特定して解決するためには何が必要かということを考えていきます。場合によっては家族など、周りの環境にも問題の生じているケースもあります。
特徴・業務
社会福祉士の厚生施設における仕事は、利用者の問題を分析・解決して再び社会のなかで自立した生活を営めるようにサポートすることにあります。しかし利用者は人生の挫折を経験していることも多く、スムーズに社会復帰をするのは難しいかもしれません。かたくなに心を閉ざしている人もいますし、社会福祉士に対する不信からケンカなどのトラブルが起きることもあります。そのような厳しい環境のなかでも相手の訴えに耳を傾け、人間関係を構築していくのが社会福祉士の任務といえます。社会と適切に接触できるように慣れること、仕事をしていくためのスキルを身につけるためのサポートをしていきます。これから利用者がどのように生きていくのがベストかを一緒になって考えていきます。
仕事の魅力
更生施設は、何らかの問題を抱えて社会からドロップアウトしてしまった人を対象にして自立に向けたサポートを実施します。自立した生活を送れるようになり、社会と自然に関わることができるような状態になれば更生施設から卒業する形になります。最初は人生に失望しているような状態だった人が、再び社会復帰できるような状態にまで改善するところをつぶさに見ることができます。このような人間の成長する姿を間近で見られるのは、大きな刺激になるでしょう。また卒業していく人たちのなかには、社会福祉士など施設で勤務している人に「ありがとう」などの感謝の言葉を直接贈ることもあります。この時に達成感や充実感を得られるという人も多いです。
気をつける点
更生施設に入所した当初は、ひどい状態の人も多いです。例えば他人を全く信用していなくて、一切心を開こうとしない人もたくさんいます。また何かにつけて周りの人たちに怒りを爆発させる入所者もいて、社会福祉士が別に悪いことをしていなくても、とばっちりを受けてしまうこともあります。このようにささくれ立った入所者の心をほぐして、心を開くような状態に持っていくためにはかなりの時間を要することもあるかもしれません。そこまでに至るまでのプロセスのなかで、社会福祉士が精神的に疲弊してしまうこともあるかもしれません。更生支援施設に入所した人の最初の段階における信頼関係を構築する工程で苦戦している社会福祉士は多いようです。

児童福祉施設

施設・業務内訳
児童福祉施設で勤務する社会福祉士は、子どもを相手にした業務になります。児童福祉施設には、さまざまな理由で家族と一緒に生活できない子供たちが生活しています。家族が経済的・虐待などの理由で子供を養育できなかった場合、児童福祉施設で預かる形になります。子どもたちは本来親の愛情を受けて育つのですが、それを受けることができないでいます。そのため、寂しい・悲しいといったネガティブな感情を抱くケースも多いです。そのような子供たちの悩みなどを社会福祉士は受け止めて、どうやって解決すればいいかを考えていきます。また両親や家族とも面会し、再び子供を受け入れることのできるような環境を整備していくことも同時並行で行います。
特徴・業務
児童福祉施設で働く社会福祉士は、児童相談員という名称で活躍します。児童福祉施設は主に18歳未満の子どもたちを対象にした相談援助を行います。児童福祉施設を利用する子供は、家庭にさまざまな問題を抱えています。虐待などの親に問題のあるケースもあれば、非行などの子どもたちに問題の原因がみられる事例もあります。原因はそれぞれですが、家族に問題の原因があるケースが多いためその原因を見つけ出し、解決するためにはどうすればよいのかを考えていきます。社会福祉士は子供の問題を分析して、場合によっては関係各所と連携してサービスを提供する必要もあるでしょう。そのような場合には、関係各所と調整をするなどのコミュニケーション能力が求められます。
仕事の魅力
児童福祉施設に入所している子どもたちを見ると、いろいろな世代の子どもがいることがわかります。幼児から高校生までの子供たちがいて、社会福祉士はその子どもたちと接することになります。そのなかで、人間性や感受性を高めることができるでしょう。児童福祉施設は子供の成長をサポートする場ですが、一方で社会福祉士自身も人間として成長するチャンスがあるといえます。保護者からの虐待など子どもたちのなかにはひどい経験をしているケースもあるでしょう。そのような子どもたちの傷ついた心を癒して、幸せな環境に救い出すことのできるのは児童福祉施設の職員です。高い社会的使命を持って仕事のできることもやりがいの一つと認識されています。
気をつける点
児童福祉施設に預けられた子どもは、肉体的にも精神的にも傷ついているケースも多々見られます。そのような場合、なかなかこちらが話しかけても心を開いてくれないケースも出てきます。子供たちにどのように接すればいいのか、時にその葛藤で悩むこともあるでしょう。子育てに関しては数学のように一つ決まった答えがあるわけではないです。あるやり方が特定の子どもに対して有効でも、他方の子どもではうまくいかないこともままあります。このような試行錯誤を繰り返してなかなか結果が出ないと、社会福祉士のなかには無力感や挫折感にさいなまれるというケースも出てきます。また危ないと思っていても、時には親御さんに子供たちを預けないといけないこともあり、引き裂かれるような思いをするかもしれません。

公的機関

施設・業務内訳
社会福祉士のなかには公的機関で公務員として勤務しているケースもあります。具体的には市区町村役場に設置されている生活保護課や介護保険関係、障碍者関連の福祉課など、地域に設置されている包括支援センターなどで勤務します。また公立病院などで社会福祉士として勤務する場合も、公務員扱いで仕事をする形になります。公的機関で勤務する場合、相談に乗る対象は幅広いです。高齢者が多いようですが、そのほかにも子供や障害者などの生活を送るにあたって何らかの問題・支障を抱えている人のサポートも行います。民間の場合対象が限定されていることが多いですが、公的機関の場合範囲が広がります。そのため、幅広い専門知識を駆使して勤務する必要があります。
特徴・業務
社会福祉士の方が公的機関で勤務するためには、公務員試験を受けて合格する必要があります。福祉職公務員試験と呼ばれるものが社会福祉士を対象にした試験となります。試験内容ですが、社会福祉士の国家試験と酷似しているといわれています。そのため社会福祉士の勉強をしっかり行っていれば合格できるでしょう。公務員試験ですが、国や都道府県、市町村などいろいろなレベルで実施されます。そこで自治体のホームページなどを見て、自分が受けられる試験はないか確認しましょう。公的機関における社会福祉士の仕事ですが、窓口に来た相談者の相談に乗ることが中心です。問題を解決するにあたって、他の期間の協力が必要な場合、連携することも求められます。
仕事の魅力
社会福祉士には公務員としての働き方もあります。公務員の場合、給料が民間で仕事をする場合と比較しても福利厚生が手厚い分優遇される傾向があります。公的機関の場合、自分が勤務している職場がなくなることはまずないといってよいでしょう。そのため長期にわたって安定した仕事ができることも、公的機関で勤務する社会福祉士のメリットの一つといえます。ただし公務員試験もあり、狭き門には違いありません。施設勤務と違って幅広い方のケアをするやりがいを求めて就職する人は多いです。
気をつける点
公的機関で仕事をしている社会福祉士は、主に窓口を訪れた人の相談に乗るのが仕事になります。高齢者のほかにも子どもを抱えた保護者、障害者などいろいろな人が悩みや相談を抱えてやってきます。そのため、社会福祉士は広範囲にわたる専門知識を持っておく必要があります。そして相談されたときに迅速に適切な答えを提供できるように準備しておかないといけません。また、決して油断することなく業務をこなしながら日々勉強をして新しい知識を身に着けていく必要があります。なかには理不尽な相談や社会福祉士では対処できない相談を持ちかけられることもあるため、それをいかにして対応するかも難しいところです。

介護職の資格について

介護の仕事でスキルアップ

社会福祉士の資格について

社会福祉士として活躍するためには、国家資格を取得する必要があります。少子高齢化の進んでいる日本では、福祉制度の充実・整備が重要課題の一つになっています。その結果、現在日本では福祉制度が多様化していて、複雑なシステムになりつつあります。一方でこのような福祉制度の利用を希望する人たちも年々増加しています。この複雑な制度の活用をサポートすることが仕事の福祉の専門家である社会福祉士の必要性は今後ますます高まります。社会福祉の国家試験ですが、合格率が3割に満たない年度が多く、決して容易に取得できる資格ではありません。しかしだからこそ資格を持っている人は重宝され、福祉や介護の分野で今後活躍できる可能性は高まるのです。

社会福祉士の資格取得

社会福祉士は国家資格になるため、国家試験を受けて合格する必要があります。社会福祉士の国家試験を受けるためには受験資格を満たす必要があります。そのためには大きく4種類のルートがあり、そのいずれかのコースを選びます。まずは福祉系の大学を卒業する方法です。2つ目の方法は福祉系の短大がありますのでそちらを卒業して、福祉に関係する1~2年以上の実務経験を積むと、受験資格が与えられるものです。3つ目の方法は、一般の大学を卒業して、養成施設で1年以上の勉強を積むことです。最後の方法ですが、通常の短大を卒業した後で福祉系の1~2年の実務を経験し、さらに専門の養成施設で1年以上通学して受験資格を得る方法です。合格率は30%弱で推移しているので、難易度は高いです。

スキルアップ・給与アップを目指すには

社会福祉士で転職を希望する人のなかには、さらなるステップアップを目指しているという方もいるでしょう。そのなかには、キャリアアップやステップアップしたいと思っているけれども、具体的にどうすればよいのかわからないと困っている人もいるかもしれません。キャリアアップをするためには、いくつかのルートがあります。まずはセンター長や施設長のような部下を持つ管理職の仕事を探す方法です。管理職になれば、収入もアップする可能性が高まります。その他には、社会福祉士として専門性を高めることでステップアップする方法もあります。しかし社会福祉士として専門性を高めるといっても、具体的にはどうすればよいのかわからないという人もいるでしょう。その方法について以下で詳しく紹介します。

管理職(センター長、施設長、事業所長など)を目指すには
社会福祉士として介護施設などに採用された場合、雇用者は幹部候補として認識しているケースが多いです。やはり社会福祉士という専門知識を持っているので、将来有用な人材になると評価する傾向があるからです。そのため職場で仕事をしていて、着実にキャリアを積んでいけば、将来センター長や施設長のような管理職ポジションで仕事をできる可能性は高いです。一般の職員と比較すると、責任感のあるポジションになりますし、部下の働きぶりにも目を光らせる必要があります。しかし貴重な経験ができますし、管理職で仕事をするようになれば給料もアップする可能性は高いです。現在の職場で昇進が厳しいようであれば、ある程度経験を積んだところで転職する方法もあります。
専門性を高めるを目指すには
社会福祉士とは、福祉サービスを必要とする人と福祉サービスを提供する事業体をつなげる掛け橋的な役割を担っているといえます。この媒介力は社会福祉士の専門性のなかでも、仕事をするにあたって特に求められる能力といえます。媒介力を高めるためには、まず福祉サービスを必要としている人がどのようなサービスを具体的に必要とするかを引き出す必要があります。そのためには、コミュニケーションスキルが必要になります。また話す能力ではなく、聞く力が求められます。相手が希望するサービスはどのようなものかヒアリングし、さらに深く理解したい場合はこちらから話題を振り情報を引き出すといったスキルです。コミュニケーションスキルは簡単に身につくものではないので、できるだけ多くの人の話を聞くように心がけましょう。

社会福祉士の仕事探しのコツ

社会福祉士の仕事探しのコツ

介護の職場選び

社会福祉士が介護施設に就職しようと思っているのであれば、どのような人物を対象にするかを検討する必要があります。例えば有料老人ホームの場合は、比較的健康な人を対象にした施設になります。一方特別養護老人ホームの場合、要介護度の高い高齢者が入所します。さらにグループホームになると認知症を患っている高齢者が対象になります。このように自分はどのようなお年寄りのケアをしたいのかということを考えて、どこの求人情報に応募するかを検討しましょう。介護施設のなかには、見学できるところもあります。そこでまずは見学をして、スタッフ同士やスタッフと入所者の関係性や施設内の雰囲気などを確認して施設を選ぶのも一つの方法です。

福祉の職場選び

福祉の場合は、公的機関であることが多いので公務員として仕事をするケースも多いです。このような公的機関の募集ですが、常に出ているわけではないです。そのため自分が住んでいる地域で公的機関の募集が出ていないかどうか、こまめに自治体などのホームページをチェックする必要があります。また公的機関で勤務するためには、公務員試験を受験する必要があります。そのため、公務員試験の受験対策も進める必要があるでしょう。また民間の福祉施設もありますが、こちらはほかの就職活動と同様に情報収集をして応募し、面接試験を受ける形になるでしょう。この場合、自分が将来どのような社会福祉士になりたいのか、そのイメージを持って、その条件に適したところを見つけましょう。

経験者の体験談

社会福祉士のやりがいと苦労、たいへんなこと
社会福祉士(介護の現場)のやりがいと苦労、たいへんなことはなんですか
社会福祉士としていろいろな人の相談を受けるのですが、正直言って精神的に不安定な状態の人が訪れます。そのため、相談内容が途中で一貫性がなくなってしまうとか、感情的になってしまい話がそれてしまうこともあります。それに対してこちらとしては話を軌道修正するのですが、あまりに冷静に対応しすぎてしまうと「この人は冷たい」ということになってしまい、良好な関係を築くことができずなかなか問題の解決に近づかなくなることもままあります。そのため相手のテンションに合わせて、こちらも微調整をしていかないといけないのはなかなか大変なところです。しかし試行錯誤していくなかで信頼関係を構築できたときには達成感もあり、仕事をしていてよかったと思えます。
社会福祉士で印象に残るエピソード
社会福祉士(介護の現場)で印象に残るエピソードをおしえてください
社会福祉士として経験を積んでいくと、さまざまところからお呼びがかかることはやりがいを持って仕事ができる根拠の一つになるでしょう。例えば私の場合、大学の教授として福祉関係の講義を行うこともあります。自分の経験や知識を生かして後進を指導できることは、社会福祉士として現場で仕事をするのとは別のモチベーションになります。また同僚などの話を聞くと、国の機関に社会福祉士としての経験が評価され特別採用された、国際機関における派遣事業に参加したことがあるなど幅広い方面で活躍できるだけのポテンシャルを持った資格といえます。年齢に関係なく、熱意があればいつまでも仕事を続けられることも、社会福祉士のメリットの一つでしょう。